「目が重く感じる」「まばたきをする際に痛みを感じる」「眼球に圧迫感がある」「目の奥が痛む」など、目に関する痛みは程度や性質も様々なものがあります。不快な痛みや持続する痛みがある場合は、放置せずに、できるだけ早く眼科専門医に相談することをおすすめします。

目のかゆみを引きおこす代表的な疾患はアレルギー性結膜炎です。ほぼ１年を通して症状のある通年性と、毎年決まった季節に限られる季節性とがあります。いずれもかゆみ以外に涙やめやにが出たり、白目がぶよぶよと腫れることがあります。つらい症状が持続する場合は眼科医にご相談ください。

まるで目に異物が入っているかのような不快感があり、目がゴロゴロするように感じる場合があります。本当に目に小さな異物が入っているケースもありますが、さまざまな目の疾患や病気が原因であることも考えられます。目の異物感が持続する場合、眼科専門医に相談し、詳細な診断と治療を受けることが重要です。

「目が疲れる」以外にも、「痛い、充血する」「重い、しょぼしょぼする」「まぶしい、涙が出る」などの症状で感じることがあります。原因も多岐にわたり、頭痛や肩こりなど全身の不調を伴うことがあります。

目の乾きを感じる原因には、空気が乾燥している（冬場やエアコン使用時）・長時間のパソコン作業などでまばたきの回数が現象している・コンタクトレンズを使用している等が挙げられます。ドライアイの方は2200万人いると言われ、もはや国民病と言えそうです。

涙目になる原因は、涙腺で作られる涙の量が多くなっているか、涙の排水路が阻害されているためと考えられます。その他にもドライアイ、逆まつげや異物が入っても涙が出ることがあります。不快な症状にお困りでしたら、眼科の受診をお勧めします。

めやには、眼表面の不用なものを粘液でからめとったものです。起床時に少量ついているめやには心配ありませんが、日中も出る場合はぜひ眼科を受診しましょう。細菌やカビ（真菌）による結膜炎では黄白色のドロドロしためやにが特徴です。サラサラしためやにが出る場合はウイルス性結膜炎の可能性があります。これはとても伝染性が強く、家庭内や学校で流行することがあり注意が必要です。

「近くが見えにくい」「遠くがぼやける」「視点をずらすと焦点が合いにくい」など、気にかかる症状がある方はお気軽にご相談ください

「かすんで見える、ぼやける」といった症状が「急にでてきたのか、徐々になったのか」「どの程度見えにくいのか」「痛みや充血などの症状を伴うのか」「糖尿病などの合併症はあるのか」など、その病態は多岐にわたります。重篤な病気が隠れていることもありますので、必ず眼科を受診してください。

片目で二重に見える場合は白内障や乱視が原因のことが多いです。両目で見ると物が二重に見える場合は斜視や左右の屈折値のズレが原因と考えられます。急に症状が起こる場合は脳神経の異常が考えられ緊急を要することがあります。

急に視野が欠ける場合、網膜剥離やの網膜血管閉塞などの緊急性の高い疾患の可能性があり、注意が必要です。ゆっくり視野が欠ける疾患の代表例は緑内障ですが数年〜数十年かけて視野が侵されるため、初期から中期ではほぼ自覚症状がないまま進行します。

目の前に淡灰色〜黒色の点や輪っか、糸くずのようなものが見える症状を飛蚊症と言います。視線を動かすと少し遅れてついてくるのが特徴です。加齢に伴う生理的飛蚊症であることが大半ですが、ときに眼底出血や網膜剥離の症状として出現することがあり注意が必要です。

普通の光でもまぶしくて目が開けていられない状態を羞明と言います。痛みを伴う場合、黒目（角膜）に傷がある恐れがあります。また瞳孔が開いていたり、角膜やレンズ（水晶体）に濁りがあっても羞明を感じることがあります。

網膜の中央部分を黄斑と言います。ここが障害されると視界の中心が暗く感じたり歪みを感じることがあります。自覚症状に気づきやすいので、受診の契機は多いのが特徴です。病態によって経過観察でよいものもあれば、手術や眼球への注射で投薬する治療が必要なものもあります。

「目が赤い」場合、原因として充血と出血が考えられます。充血は表面の血管が拡張している状態で、出血は血管が切れて内出血になっている状態を指します。内出血（結膜下出血）のべったりと赤く染まりますが、ウイルス性の結膜炎に合併することがあり注意が必要です。

瞼の痙攣は多くの場合、一時的な現象であり、自然に治まります。しかし瞼の痙攣が持続する場合や他の症状と結びついている場合、目の疾患や病気が原因であることも考えられます。症状が持続する場合は眼科専門医に相談することをお勧めします。

瞼（まぶた）が腫れる代表的な疾患が麦粒腫（ものもらい・めいぼ・めばちこ）です。ブドウ球菌などの感染によるものですが、抗菌薬で改善が期待できます。軽快しない場合は穿刺や切開により膿を排出しなければならないこともあります。副鼻腔炎や歯槽膿漏など目の周囲の炎症が波及して腫れる眼窩蜂窩織炎は緊急性が高く、治療が遅れると敗血症となり生命に関わることがあり注意が必要です。

上の瞼（まぶた）が垂れ下がってくることを眼瞼下垂と言います。加齢に伴う変化であったり、コンタクトレンズの長期使用によるものの場合は緩徐な経過をたどります。脳腫瘍・脳梗塞・脳動脈瘤などによる神経麻痺で比較的急激に下垂する場合は迅速な対応が必要となります。